卓袱台の上だって写真になる瞬間

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 被写体をそこまで運んではくるけれども、構図までを決めて、このように撮ろうと決めてかかっている訳ではない。このような光のもとで、このような構図で撮ると決めてかかっても写真には、ならない。

 

 習作のように、あらかじめ手本となる図像のあるものでも、そのときの光の具合、加減を見ないと写真にならない。単なる図解写真にしかならない。

 

 いつもそこにあるものであっても、ある時刻に、ある光線のもとで、見えなかった姿や、ただずまいが見える時がくる。

 

 被写体となる物を選ぶときは、被写体となる物に魅入られて手を伸ばす。何でも良い訳ではない。被写体となる物は、あってもなくても良くて、あることに意味もない。

 

 ただ、そこにある空間、そこにある光、そこにある色、形が、美しいと感じられるかどうかだけ。

 卓袱台の上にだって美しい瞬間、空間は出現する。