日々静物画写真

三脚についての余計なお世話

 十年ほど前の雨模様の日に、とある公園で、ビデオに挟み込むためのバラの花を写真撮影をしていたときのこと。普段は、それなりのビデオカメラで数人で撮影しているので、通りすがりの人から声をかけられる事もなかった。けれども、この日は急ぎのワンカットが入り用で、写真ですませる事になり、一人で撮影していたためか、スチールカメラを首から下げていたためか・・・・・(カメラマンのプロを見分ける方法。首からカメラを下げているのは素人。肩にカメラを下げているのがプロ。という都市伝説があるらしく・・・・・・)団塊世代と思われる男性から声をかけられ「やっぱり、いい写真をとるためには、三脚がないといけないそうですよね。三脚は持っていないんですか?」私がなんと答えたのかは、覚えていないけれど、「いい写真には、三脚。」だけは、はっきりと覚えている。

 そして、ちかごろの風光明媚と言われる観光地や、春の桜から、秋の紅葉までの花の名所などなど。私と同年代の団塊世代のカメラおじさんが、あちらこちらに氾濫するようになり、望遠レンズに三脚、その装備に圧倒される。それが原因だと思われるのだけれど、「三脚使用禁止」の看板が各地の神社仏閣、観光地で目につくようになった。三脚持った写真おじさんの傍若無人ブリが、目にあまるためだそうだ。「大口径の望遠レンズになれば、三脚は必要なの。」と写真技術的には、おじさん達の声は察せられるが。

 

 私といえば、屋外で写真を撮影するときに三脚を使うことは、ほとんどない。大体、外に出かけるのに三脚は邪魔くさいし、重い。肩が凝る。アングルを決めるときにカメラを三脚に乗っけて、足を延ばしたり、引っ込めたりしている間にシャッターがどれだけ押せる事か。

 

 それにしても、重装備のカメラおじさんに出会うたびに、あの日の「いい写真には、三脚。」を思い出す。誰が言ったのか、言っているのか? そして、品行正しき、写真おじさんには、言ってあげたい。「三脚ないほうが、写真は、楽しいスよ。」